エコプレッソ基金をもとに実施された「プラスチックフリーキャンパス」プロジェクト(以降、PFC)。聖心女子学院の生徒会中心に実施されました。以下、プロジェクトの趣旨と活動内容をご紹介します。
【PFCとは】
PFC(Plastic Free Campus)とはプラスチックフリーキャンパスの略。
プラスチックの使用を最小限に抑えた学校を指す。
聖心女子学院を始めとし、以下に示した「PFCの3本柱」に賛同した小学校、中学校,高校を対象としていく。最終的には以下の目標の達成を目指します。
【PFCの3本柱】
Ⅰ.必要以上のプラスチックの使用をなくす
Ⅱ.生徒が主体性を持って行動を起こす
Ⅲ.学校全体を巻き込んで積極的に情報を発信する
聖心女子学院の生徒会では、10年生から12年生までの8名の希望者と共に2020年からPFCという活動を始め、PFCは、聖心女子学院がプラスチックの使用を最小限に抑えたプラスチックフリーキャンパスの第一号となることを目指して活動しています。
【目標】
(学校・学び)全学年、プラスチックに関する基本的な知識と、その問題点を知る機会が提供されている。また、問題解決の方法を考える機会がある。
(学校・持ち物) 持ち物は全て必要以上のプラスチック製品を使用しない。
(学校・設備) 学校全体で使い捨てまたは処理の難しいプラスチックを使用しない環境が整っている。
(生徒・意識) 全ての生徒にプラスチック問題改善の意欲がある。
(生徒・知識) プラスチックの危険性や影響、日本や世界におけるプラスチック消費活動の実態を認識している。
(生徒・行動) 日常生活の中でも必要以上のプラスチックを使用しない。また、周りの家族や友人プラスチック問題を伝え、行動を起こすよう促している。
【アンケート】
まずは、生徒の皆さんへプラスチックフリーについてのアンケートを実施し450件もの回答を得た。以下は、まとめたもの。
- マイバッグやマイボトルへの意識が高いが、普段どれほどのプラスチックを使っているかあまり認識できていない。1人1人が自覚を持ち意識を変えていく必要性を感じた。
- 海外へのごみの輸出について、日本人に一人当たりの排出量が多いこと、途上国への輸出が新たな海洋汚染につながっていること、など多くの問題があることを知った。
- 学校内でのプラスチックの利用、代替え可能なもの、その中で単なる消耗品と比較的長く使えるものとに分類できること。また衛生面での問題もあること。いずれにせよ、生徒と先生と協力して学校全体で取り組んでいかなくてならないと感じた。
- レジ袋の有料化についてもそれだけで環境問題が解決するとは思わないが、これによって今まで日常的に使用していたプラスチックに対して関心を持つきっかけが生まれると期待する声が多い。
- PFCのプロジェクトを始めて、SDGsを意識し始めたという回答が多くあり、このような行動が少なからず意識の改善に繋がっていることが分かった。おおまかに「私生活の見直し」と「社会問題への関心の高まり」の2つに分類できる。SDGsの目標達成には継続的な行動が不可欠である。今後ともSDGsに対する意識を保つためにも周囲への広報活動は重要だと再認識した。
【活動内容】
- アンケートをもとに今後自分たちがやるべきこと、広げていくこと、などを認識
- 学内イベントで、ステンレスストローの普及・啓蒙と販売
- PFCのロゴの作成。生徒で考えたロゴ。今後広めていく
- 書籍の購入。プラスチックや海洋汚染に関する書籍
「プラスチックの現実と未来へのアイデア」、「海洋プラスチック 永遠のごみの行方」等々)を10冊ほど購入し、今後も知識を広げていく - 聖心女子学院、姉妹校、他校へとPFCの活動範囲を広げていく
コロナ禍で思うようにならない状況下でも、学業の合間をぬってこれだけの活動を推進してくださった生徒さんたちと、このプロジェクトを応援してくださった大山校長先生に、まずは心から御礼を申しあげます。
彼女たちの活躍を楽しみにしていると同時に、私たちもしっかり支援をしていけるように。そして、PFCがこれからいろいろな学校に広がっていくことを期待したいと思います。