この度、プラスチックフリージャパンでは、『人工芝で計画されているサッカー場を、人工芝を使わないように指導することを鎌倉市に求める陳情書』を提出しました。
結論として、サッカー場に期待している青少年がいる、ということで、陳情を継続審議というお蔵入りにした建設常任委員会。
やはり、どうしても納得がいかない「マイクロプラスチックを発生する人工芝サッカー場の建設」。プラごみゼロ宣言、気候非常事態宣言、そしてSDGs未来都市であり、「古都」「海と緑」が市名に冠されることの多いわが街「鎌倉市」に、人工芝のサッカー場が、しかも排水に考慮の無い工法でできる。灼熱のサッカーグラウンドである。
規制的行政指導になるので、業者への指導はできないと言い切る鎌倉市の環境部。人工芝マイクロプラスチックは廃棄物、発生抑制に努めるのが市の行政ではないか。
鎌倉市職員も市議の面々も、SDGsバッチを外してほしい…
1 陳情の要旨
深沢地域整備事業用地に計画されている人工芝のサッカー場に対して、”プラごみゼロ宣言“ならびに”気候非常事態宣言“をしている鎌倉市として、マイクロプラスチックの飛散、堆積、気温上昇などの環境汚染を招かないように、人工芝ではない他の天然素材を用いる計画に改めるように指導することを求める。
2 陳情の理由
過日、神奈川県と鎌倉市は同期してプラごみゼロ宣言をし、ひろく市民にプラスチックごみの発生抑制を求めると同時に、市役所内をはじめとする市の公共施設におけるプラスチックごみの発生抑制に努め成果を上げている。同様にして、市内事業者についても発生抑制を強く求めている。
その状況下において、市が管理する事業用地に民間事業とは言え、マイクロプラスチック発生のもとといわれる人工芝によるサッカー場が計画され、認可される可能性があると聞き、驚きと怒りを隠せない。
環境ベンチャー企業「ピリカ」の調査によれば、首都圏と大阪府内の十一河川からマイクロプラスチックが検出され、そのプラスチック浮遊物の四分の一が人工芝であった。ヨーロッパにおける研究などを併せ考える、人工芝はマイクロプラスチックの大きな要因の一つといえる。
人工芝は、激しい運動による摩擦により擦り切れてマイクロプラスチック化する(2次的マイクロプラスチック)ことはよく知られている事実であり、国会においても質疑があり、現在環境省においても調査中と聞く。さらに人工芝には、その耐久性を増すために、ゴムチップがまかれることが多く、一次的マイクロプラスチックの発生源として、そしてそのゴムチップに環境ホルモンの恐れがあることが懸念されている。
人工芝のサッカー場が多いのは、そして天然芝のサッカー場が天然芝と人工芝のハイブリッドになるなどは、サッカー場のメンテナンス上のコスト(めんどくささを省く)の問題と聞くが、メンテナンスすべきはサッカー場ではなく、地球環境であり地域環境であることに意思決定の根拠をおいていただきたい。照り返しの大きい人工物により地表を覆うことは、気候温暖化、ヒートアイランドをもたらす方向であり、気候非常事態宣言をしている鎌倉市として、本来的には避けるべきであり、こちらからも併せて業者に計画変更を指導するべきと考える。
地球にやさしい人工芝、エコな人工芝(エコターフ)、100%グリーンな人工芝といったいわゆるグリーンウオッシュ的な売り込み文言に判断を間違うことなく、またサッカー選手の身体的な疲労ややけどだけを考え、地球環境を慮外とする例えばFIFA認定といった文言に対して、プラごみゼロ宣言都市、気候非常事態宣言都市として、そしてSDGs未来都市として全国から注目を浴びている環境先進都市である鎌倉が判断を誤らないでいただきたい。
陳情に至った理由は、ここにある。以上。
令和3年2月2日
提出者 鎌倉市御成町11-40
特定非営利活動法人プラスチックフリージャパン
代表理事 小島 政行
鎌倉市議会議長 久坂 くにえ様