五島列島 海ごみSOSレポート 2017年9月29日
去る9月23日(土)~24日(日)の二日間にわたり、五島列島の新上五島町で同町主催+JEAN運営の海ごみSOSが行われました。20名の参加がありました。遠路の参加は東京、埼玉、広島から計五名でした。他は長崎県人です。この参加20名とは別に15名の地元大学のボランティア参加が35名ほどあり、総勢で55名の活動でした。
(1)23日午前中
海ごみについての、量とか種類とか、害などをJEANの小島あずささんが説明されました。
パワーポイントを使っての説明。
その内容については、別途パワポを復元する形で、JEANの承諾を得て、掲載します。
また、別途企画中のプラスチックフリージャパン主催の12月10日の『海ごみセミナー』でお話ししたいと思います。
(2)23日午後
同島の「蛤浜」で漂流ごみの清掃
数日前の台風で洗われていたので、とてもきれいな状態でしたが、海のひきに合わせて入江に入ると、多数のごみが漂着していました。
35名で2時間近く拾いましたが、とても拾いきれる量ではありませんでした。フレコンに20袋から30袋ぐらいのプラスチックが拾えました。
その多くは漁具、プラスチック破片です。製品の形をとどめているものはブイ、ライター、洗剤などの容器です。
(3)24日午前
無人島「祝言島(しゅうげんじま)へ、地元漁師さんの協力をいただき漂着ごみの清掃に行きました。
普段より少ないとのことでしたが、入江にびっしりごみが漂着しています
長い間放置されていたからでしょうか、ビンやかんの中の液体から腐敗臭が漂っています。
また、発泡スチロールの破断が進み、古いごみを取り除くとその下に、アリの卵のようにあります。
(4)24日午後 ワークショップ
地元の大学生と参加者が5対2ぐらいで交じり、グループを作り、海ごみを減らすにはどうするかのディスカッションをして発表しました。その多くが、やはり「まずは、現状を体験する」ということでした。
(5)24日夕方 解散式
長崎大学の名誉教授「中西」先生ほかがご挨拶されました。
締めの言葉として「ゴミを拾う人はゴミをすてない」
みんなでごみを拾う!ということで終わりました。
(6)地元の人と話したことから
■ごみの清掃はカラフルでなくなったところで、一段落してしまうが、本当はそこからが勝負。
マイクロプラスチックを海に流さないためには。
■マイクロプラスチックが海だけでなく、地球を滅ぼすという感覚が実体験としてわかる。
発泡スチールは全世界で禁止すべきだ
■五島列島のごみを1とすれば、壱岐は2、対馬は3のごみがある
■対馬は、道付きが悪く、断崖絶壁の下にゴミがあるので、海からしか拾えず、素人が手を出せない
■ごみの7-8割が海外のものだろう。まえはハングルが多かったが今は中国語が多くなった。
それだけ、中国もプラスチックを大量に消費するようになったということだろう。
■漁具については、全数が海外とも言えない。地元漁師の教育啓蒙が緊急課題ととらえる人もいる
■アナゴの罠などは、日本では使わないので海外と考えられる。
■よそから来たごみをなんで島民の税金で片さなくてはいけないのか、ということで、現在は国からの補助金で行っている。
しかし、ボランティアが無償で拾ったごみの処理で産廃業者が儲かる構図には、不平と批判がある
■海外のごみが主流と考えると、島民への発生抑制の呼びかけがむなしい
(7)知り合えた人々(個人名は差し控えます)
- JEANのスタッフ
- テラサイクルの海洋ごみ担当
- 東京農工大学マイクロプラスチック高田先生のところの大学院生
- 福江島を中心の環境団体(アクロス五島の面々)
- 同上対馬のNPO団体の理事
- 新上五島町町役場の方々、対馬市役所の方
- 長崎大学名誉教授(漂着物学会会長)
以上